2025年度OB/OG会-生物部「井草高校訪問報告」
井草祭を、1970~72年卒の生物部OB・OGの仲間とともに訪れ、生物部では2025年入学の生物部員に「今年入部しました。」と迎えられた。
生物部では、夏合宿で採集した夜光虫の発光デモンストレーションが行われていた。完全な暗闇ではなかったため光の輝きは弱かったが、部分的に照明を遮るなどすれば、より印象的になったのでは、と感じた。ほかにも、マハゼのマイクロプラスチック誤飲の観察や、海洋プランクトンを顕微鏡でのぞく展示があり、環境問題を身近に考える機会となった。また、校内でタヌキの糞を見つけ、センサーカメラを設置して、タヌキが糞をしに校内に入ってきていることを突き止めた映像も流されており、発想と工夫に感心した。キノコの一種アラゲコベニチャワンタケの研究では、採取されたサンプルに国内で一般的な種は含まれておらず、国内の図鑑に掲載されていない種が多く含まれていた、と発表されていた。観察前の予想とは違った波乱の展開が予想されて、今後が楽しみだと感じた。
天文部の展示では、プラネタリウムや半球型ドームが設けられ、望遠鏡とスマートフォンを組み合わせた天体写真の撮影方法が紹介されていた。顧問の先生は「実際の観察では星雲は淡い光の塊に見えることが多く、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえるカラフルな画像とは大きく異なる。そのギャップに戸惑う人もいる」と説明してくださり、天文部が毎月開催している、星を見る会の様子をうかがうことができた。また、1970年からの部誌も展示されており、10年程の休部期間があったことを知った。顧問の先生は、地学を受験科目に選ぶと進学の選択肢が限られるため、部員が集まりにくかったのではないか、と背景にも触れられ、教育環境のクラブ活動に及ぼす影響を肌身で感した。
見学の後には、上石神井駅近くのモロッコ料理のレストラン「ライアン」に向かった。モロッコ料理のレストラン「ライアン」では、スペインのパエリャ、トルコのケバブ、モロッコ、アルジェリアのタジン鍋の料理といった、地中海料理を楽しむことができた。シェフは元モロッコ大使館のシェフの方で、モロッコで学校に通う、息子さんとお嬢さんの画像を紹介してくれた。
みなさんの健康に関する話では、正しい歩き方の大切さ、適度な運動、など出会った問題と、それに対する取組について、多くの「体調を整えるための心がけ」が語られ、日常に取り入れたいと考えた。
最後に思い描いたのは、今年の猛暑や富山湾・銚子港でのイワシの大量水揚げといった社会的関心の高い自然現象が、もし展示に含まれていたらどう紹介されていただろうか、という点だった。生物部なら生態系や環境負荷の視点から、天文部なら気候変動と観測条件の変化の視点から、それぞれ異なる切り口で示してくれたかもしれない。そんなことを考えながら、今回の井草祭見学を振り返った。












